スマートグラスで地盤改良業界のベテラン現場監督不足を解決できる理由

建設業は個別産業という特徴があり、同じ内容の工事は存在しません。工事ごとに条件、環境が異なり、現場監督の判断によって結果が左右することが多々あります。

特に地盤改良業者は「専門業者」と呼ばれ、元請から工事管理を”ほぼ”まかされます。そのため地盤改良工事の現場には専門業者の現場監督ひとりと、その担当として元請の1〜2年目の若い職員しかいないのが通常です。元請もベテラン職員が不足していて、このような体制にせざるえなくなっています。

地盤改良業者の課題として

経験豊富なベテラン現場監督の不足があげられます。私が入社した10年以上前は、ベテラン現場監督と一緒に若手が現場を回りながら仕事のノウハウを身につけるのが一般的でした。しかし現在では仕事の量に対して現場監督の人数が足りていないので、以前のような配置が難しくなっています。会社としても、少しでも多くの工事をするために、未熟な現場監督をひとりで現場に配置せざるえなくなります。そうすると工事現場には未熟な現場監督、若手元請職員そして作業員が数名いる「トラブル対応力」が低い配置が生まれてしまうのです。トラブル発生時、ベテラン現場監督は豊富な経験を活用し、工事を止めないように速やかに解決することができます。しかし未熟な現場監督はトラブルに気づかないもしくは解決できず、数時間もしくは丸1日工事を止めることも珍しくありません。

そのような対応が続くと

  • 工程の遅延
  • 元請の信頼の低下
  • 工事手待ちコスト
  • ベテラン現場監督の移動コスト        などの問題が発生します。

未熟な社員には以下の3つの力が不足しています。

  • 基礎知識
  • トラブル発見力
  • トラブル解決力

この3つの力は短期間で身につけることが難しく、私自身もベテランと一緒に工事を回ることで身につけた力です。しかし人材が不足している現状では、その余裕がないのも現実としてあります。この問題を放置し続けることで無駄なコストは増え、元請けからの信頼も失い、最終的には仕事が回ってこなくなることも考えられます。

この地盤改良業界の問題を解決するのにシンクロアイズの「スマートグラス」が有効です。

スマートグラスとはメガネ型のウェアラブルデバイスです。

当記事はなぜスマートグラスが地盤改良業界のベテラン現場監督不足の解決に有効かを解説していきます。

 

 この記事の目次

スマートグラスで「基礎知識の不足」を解決

基礎知識とは何か

基礎知識とは仕事を進める上で最低限必要な知識です。

基礎知識を算数に例えると「足し算・引き算・掛け算・割り算」に当てはまります。これらを使えてはじめて「面積や体積」などの応用問題をとくことができます。

工事における基礎知識は

  • 作業手順
  • 建設業界の専門用語    が挙げられます。

作業手順

作業手順とは工事を進める「順番」のことです。その中には工事の品質・安全に関わる重要なポイントも含まれています。

建設業界の専門用語

建設業界の専門用語とは機械・材料・工具の名称のことです。

専門用語として

  • ボーリングマシン
  • 水ガラス
  • パイプレンチ   などがあります。

知っていたら何ら問題ない言葉ですが、知らない人にとっては

「それが何なのか」「何に使うものなのか」  まるでわからず戸惑うと思います。

基礎知識が不足するとどうなる?

基礎知識が不足した現場監督に下記のことがおこります。

  • 全体を俯瞰して見れない
  • 質問に答えられない(元請・作業員)

全体を俯瞰して見れない

作業手順の全容を把握できていないので、作業の一部分が全体にどんな影響を与えるかが理解できません。そのため「今」の作業がうまくできないと「先」の作業でどんな問題が起こることが予測できないのです。

質問に答えられない(元請・作業員)

専門的なことを聞かれても、知識が不足しているので答えられません。元請からすると専門業者なのに質問に答えられないのは、その社員だけではなく会社としての信頼低下にも繋がります。

私の体験談

「資材置き場所をミスり2度手間」

機材搬入の日に、予備資材をどこかに仮置きする必要がありました。その際に特に考えもせずに「ここに置いてください」と指示しました。しかし数日後作業員に「ここの資材が施工するときに干渉するから移動しなきゃダメだよ」と言われました。その言葉を聞いた瞬間にがっくり肩を落としました。その資材を移動するために半日作業を止めることになってしまい、自分の至らなさに嫌気が指したのを今でも忘れません。全体を把握し、先を見据えた判断をしないと2度手間、3度手間が発生することを痛感した出来事でした。

基礎知識を身につける方法

基礎知識を身につける方法はシンプルです。

  • 勉強する
  • 経験を積む
  • わからないことにに出会う
  • わからないことを調べる

このサイクルをくり返すだけです。

しかし、難点は時間が必要なことです。ひとりで現場に行きながら基礎知識を身につけるのは時間的な負担が大きいと言えます。

基礎知識不足を解決するスマートグラス活用方法

スマートグラスを使用すると基礎知識不足を解決できます。

最大のメリットは同じ映像を見ながら伝えたいことを話せることです。例えば名称の知らないものを説明するときに「この画面に写っているものです。」と言えば、それ以上の言葉は必要ありません。知識がなくても情報の伝達がスムーズにいきます。電話の場合、言葉だけのコミュニケーションになります。その際に良く起こるのがコミュニケーションエラーです。コミュニケーションエラーとは、相手に誤情報が伝わることです。自分の理解と相手の理解には差があり、伝える力もひとそれぞれです。そのため言葉だけだと伝達ミスが発生しがちです。スマートグラスを使用しながら、コミュニケーションを取ると同じ映像を見ることができます。なので理解力、伝達力に依存しないコミュニケーションがとれるのです。

スマートグラスで「トラブル発見力の不足」を解決

トラブル発見力とは何か

トラブル発見力とは現状を分析して課題や問題を発見する力です。

工事におけるトラブル発見力とは

  • 現在の異変に気づく
  • 未来の異変に気づく  が挙げられます。

現在の異変に気づく

問題なく動いている工事の異変に気づきます。例えば施工している機械から普段はしない異音がしている。機械を止めて点検してみるとエンジンオイルが不足していることが原因だと発覚する。異変に気づけると問題に即座に対応することができます。

未来の異変に気づく

少し先の状況を見据えて、問題がないか想像します。このまま施工が進捗すると前工程の段取りが追いつかなくなり、自分たちの工事が止まることに事前に気づくことができます。

トラブル発見能力不足だとどうなる?

トラブル発見能力が不足した現場監督には下記のことがおこります。

  • トラブルに気づかない
  • トラブルの予兆を見逃す

トラブルに気づかない

ベテラン監督から見たら気づける現場の異変に気づくことができません。通常と問題がある状態の”違い”がわからないので、トラブルをトラブルと捉えることができないのです。

トラブルの予兆を見逃す

大きなトラブルの前に起こる小さな異変に気づくことができません。この気づきは経験と知識が重要となるので中々難しい部分でもあります。

私の体験談

「民家近接施工」

マンション建築工事の基礎工事として、土留めシートパイルの欠損部分を薬液注入で補強していました。注入箇所の中に民家と1m程度しか離れていない近接作業もあり注入による影響を与える可能性があった。しかし私はそんなことに気づかず通常通り施工をしようとしていました。たまたま現場に様子を見に来た上司の指摘により、民家に影響を与えない施工方法に変更することができた。そのまま施工していたら民家へ影響を与えるところでした。ベテランならすぐに気づけるトラブルを素通りして大きな問題になりかけた出来事でした。

トラブル発見能力を身につける方法

トラブル発見能力を身につける方法は下記があります。

  • トラブル経験を積む
  • トラブルを理解する

トラブル経験を積む

トラブルを体験することが大切と言えます。知らないことに対応することはなかなか難しいからです。例えば地元の道が渋滞していたら、迂回する道が思いつきますが出張先で道が渋滞していたら、どこを通ればよいかわからないはずです。つまり、知っていると知らないとの間には大きな壁があるのです。経験を通じて知識を増やしていくことが重要です。

トラブルを理解する

何がトラブルかを知ることが大切です。トラブルに気づけない人はトラブルが目の前で起こっていても見逃すことがあります。たとえば車のタイヤ圧が所定圧を大きく下回っていても、所定圧を理解していないとどうにかしようとは思いません。同じものを見ていても知識量によって見え方は異なるものなのです。そのためどんな状態がトラブルかを知ることが大切です。

トラブル発見力不足を解決するスマートグラス活用方法

スマートグラスには下記の活用方法があります。

  • 遠隔地からリアルタイムに現場を見れる
  • 同じ映像を見ながら話をできる

遠隔地からリアルタイムに現場を見れる

スマートグラスを使用すると遠隔地にいるひとと一緒にリアルタイムに現場を見ることができます。動いている現場を見ながら指示が出せ、その結果もすぐに見ることができます。

同じ映像を見ながら話をできる

同じ映像を見ながらベテラン監督が気づいた異変やポイントをコミュニケーションのズレなく伝えられます。さらに映像を録画もできるので、新人への教育資料として会社に残すこともできます。若手現場監督が気づけず、見逃しそうなトラブルの兆しをベテランの力を活用することでキャッチできます。また、時間を掛けて移動する必要もなく一人で複数の現場を確認することができます。

スマートグラスで「トラブル解決力の不足」を解決

トラブル解決力とは何か

トラブル解決力とは、うまくいかない原因を根本から取り除き、同じことがおこらないようにする能力です。

例えば、雨が降ると冠水して通れなくなる道があるとします。その原因が排水能力の低さにあることを特定します。そして排水設備を増強して雨が降っても冠水せずに通行できる道にする。これがトラブル解決能力です。

工事現場におけるトラブル解決力とは

  • うまくいかない原因を解決する
  • 起こったトラブルの再発防止をする

うまくいかない原因を解決する

計画工程通りに作業が進捗しないときに、その原因がどこにあるかを見つけだします。そして原因から問題を解決する方法を選択し、工程の遅れを取り戻す手段を導くのです。

起こったトラブルの再発を防止する

トラブルが起きて、その場だけ解決して、また同じことが起こっては意味がありません。同じトラブルが起こらないように根本的な原因を取り除き再発防止まで行います。

トラブル解決力が不足するとどうなる?

トラブル解決能力が不足した現場監督には下記のことがおこります

  • トラブルの長期化
  • 同じトラブルが再発生
  • 解決の選択肢が少ない

トラブルの長期化

トラブルを解決する力がないので、問題が長期化します。その結果、工事が止まり、工程もなくなり、無駄な出費も発生してしまいます。

同じトラブルが再発生

その場しのぎの対応をしてしまったがために、同じ問題が再び発生します。トラブルの原因を解決しないと同じことが起こってしまうのです。

選択肢が少ない

問題が起こっても解決する選択肢が少ないので、コストパフォーマンスの悪い方法を選んでしまいます。

私の体験談

「パイピング軽視」

マンション建築工事の基礎工事の中でボイリング防止のため底盤を薬液注入していました。工程の都合で注入が終わった箇所から、掘削も並行作業。ある施工後の夕方に掘削面からプクプクと水が噴き出るパイピング現象が発生していた。深く考えもせず「この程度なら大丈夫」と判断しその日はそのまま帰宅した。翌日の朝、現場に着くとパイピングしていた箇所の山留めの背面が50cm程度陥没していた。慌てて元請けに連絡して応急処置をとる必要があったが、何をどうしていいかがわからず。ただただ時間だけが過ぎてしまった。上司に連絡し状況を説明したが、慌てていたせいもありうまく伝わらず、現場に来てもらうことになった。上司が現場に到着後、状況を確認してもらい対策工事を急遽することになった。問題を軽視したこと、その問題を解決する方法がわからず後手後手に回った出来事だった。

トラブル解決力を身につけるには

トラブル解決力を身につけるには下記の方法があります。

  • トラブル解決方法を知る
  • トラブル解決経験を積む
  • 過去のトラブル事例を知る

トラブル解決方法を知る

トラブルに対してどんな対応をすれば解決するのかを知ることが大切です。トラブルが起こった時に、その場で解決策を考え実行できればよいですが、経験豊富なベテランでないと中々難しいです。例えばボーリングマシンが故障したら機械の故障箇所を特定し、その場で修理できるのか交換が必要なのかを機械リース会社と話しながら調整できます。ただその場で解決しなくてはならない場面もあるのは間違いありません。

トラブル解決経験を積む

トラブルを解決した経験を積んでいくことが大切です。作業→トラブル発生→トラブル解決→作業再開のサイクルを何度も経験することで、解決する力が格段に上がります。

過去のトラブル事例を知る

過去に起こったトラブルは再び起こる可能性があるので、それを知ることが大切です。知っていれば過去にどうしたかがわかるので、スムーズな対応が取れます。

トラブル解決力不足を解決するスマートグラス活用方法

スマートグラスの活用方法としては以下のものがあります。

  • トラブル映像をリアルタイムに共有できる
  • トラブル記録が会社の資産として残る

トラブル映像をリアルタイムに共有できる

遠隔地にいるベテラン現場監督とリアルタイムにトラブルよ映像を見ながら話すことができます。電話の場合、お互いの説明する力に依存し、コミュニケーションエラーが発生することがあります。知らない町で電話で道案内するのを想像していただければその難しさが理解できると思います。一方スマートグラスは、同じ映像を見ながら話ができるので、伝えなくてはならない情報が少なくて済みます。その結果より円滑なコミュニケーションがとることができます。

トラブル記録が会社の資産として残る

スマートグラスには映像を録画できるので、会社に「トラブル記録」として残すことができます。社内の社員教育やトラブル対策会議などで実際に起こった「生のデータ」としても2次利用も可能です。

まとめ スマートグラスでできること

ここまでスマートグラスが地盤改良業界のベテラン現場監督不足を解決できることについて解説しました。

スマートグラスの活用方法をまとめると以下になります。

  • 自分の見ているものを他者に見せることができる
  • 出張先にいる若手を会社にいるベテランがフォローできる
  • トラブル記録が会社の資産として残る

今までは、「この現場は難しいからベテランしか行かせられないな」と考えていた現場もスマートグラスがあれば「若手だと少し不安はあるけどフォローできるから大丈夫」となります。

スマートグラス導入への不安として

  • イニシャルコスト(初期費用)が高い
  • ベテランが使いこなせるか

があると思います。

しかし、シンクロアイズのスマートグラスの売りは以下の「導入ハードルの低さ」です。

  • 無料体験2週間    (イニシャルコストゼロの月々定額)
  • 装着して30秒で使用可能

無料体験2週間

お試し期間が2週間あるので、実際に使用して良し悪しを体験してから契約できます。

しかもイニシャルコスト(初期費用)が“ゼロ円”

さらに、本体を購入する必要もありません。

月額料金を支払えば利用できるサブスクサービスなので、利用頻度が高いほどお得です。

装着して30秒で使用可能

難しい操作は不要で、スマートグラスを装着して起動ボタンを押すだけの簡単な手順で使用開始できます。電子機器が苦手な方でも問題なく使用できるようになっています。

 

ぜひ当記事でスマートグラスに興味を持った方は使用の検討をしてみてください。