現場監督にスマートグラスが最適な理由

現場監督がスマートグラスを活用すべき4つの理由

こんにちはシンクロアイズ専属ライターの小松です。私は現役の 売上規模100億円。社員数200人の会社の現場監督です。私は2007年から現在まで15年以上工事に従事しています。会社を背負って現場に責任者として立つのはなかなか緊張感があります。順調に工事が進んでいれば困ることはありませんが、一つの現場でトラブルがゼロというのはまれです。トラブルが起こったときの対応で、現場監督としての力量が見えてきます。しかし建設業界は働き手の不足により、経験豊富な現場監督が少ないという問題を抱えているのです。その問題を解決するのに「スマートグラス」が役立つ可能性があります。

この記事は下記の現場監督に向けて書いています。

  • 人手不足に困っている
  • トラブル対応で動き回っている
  • 最新技術を取り入れて生産性を上げたい

それでは、工事現場が抱える問題とスマートグラスを導入で得られる可能性について解説していきます。

工事現場の日常

 経験豊富な現場監督が減っている

2011年の東北地震以降の活況も収束しつつあり、仕事量もピークを超えた状態にあります。しかし仕事量の減少と労働人口の減少にタイムラグがあり、まだまだ働き手不足は続いています。日本全体としても働き手の高齢化と不足が進み、特に建設業界はそれが常習化しているのです。会社単位でも経験豊富なベテランと、経験が乏しい若手の2極化が進んでいます。そのため工事現場でトラブルがおこったときに、対応しきれず会社に電話で相談している若い子の姿をよく見ます。そんな光景を見るたびに、会社としてベテランの経験を若手に活用できていない会社が多くあるのを感じます。

 工期に余裕がなくミスが許容しにくい

建設業界の特徴として、1つの工事現場に大小複数の会社が携わり工事完了を目指します。そのため、1つの会社が予定していた工期を遅延すると後ろの工期が変わるので、何社もの日程に影響を与えます。そのため全体として工期に余裕があっても、個々の会社単位で見ると工期に余裕がないのです。マンションの建築工事の場合、着工前に入居者の引っ越し予定がきまっているケースもあり、簡単に工期を遅延することができないのを理解できるのではないでしょうか?

 仕事環境が10年前と変わっていない

この10年で世の中は大きく変わりましたが、建設現場の仕事環境はほとんどかわっていません。まだまだ朝早く起きて夜遅くに帰るという、昔ながらの働き方を続けている人が多くいます。タブレットやスマホなどのIT機器を工事で使っている人を見ますが、十分に活用できているか疑問です。また、若手への教育方法もほとんど変わっていません。ベテランと若手が一緒に働き見て学ぶというOJTが主流です。そのため働き手不足の影響でOJTを十分に行うことも難しくなっています。経験の乏しい現場監督がひとりで工事現場に出ることも珍しくありません。さらにトラブルがあったときも、電話越しで状況を伝えて解決できなければベテラン現場監督が現場に急行するという場面も時折あります。

工事現場の問題

 知識不足による対応の間違い

経験が乏しい現場監督がひとりで現場に出るため、小さなトラブルが起こっても適切な対応ができないことがあります。現場監督はやらなくてはならない管理項目が多々あり、そこにトラブルが加わると知識が不足している現場監督では対処が難しいのは当然です。ひとりの社員を教育する時間がないほどに働き手不足が進行しているのです。これは元請の信頼を失いかねない事例であり、長期的に会社の利益を損失する恐れがあります。

 経験豊富なベテラン頼みになっている

技術的に難しい現場や会社の直接サポートがしづらい出張現場は経験豊富な現場監督に任せられるケースが多くなります。会社の管理者としては経験の乏しい現場監督を出張現場に送ると、サポートするために膨大な時間が取られ、他の業務にさく時間が少なくなるからです。そのため難しい現場や出張にはベテラン現場監督を送ることになっていきます。しかしこの判断を繰り返すと現場監督の力量が埋まらず格差がより広がってしまうことにもなります。

 新技術導入までに時間がかかる

建設会社の多くはトップダウン型の意思決定をして、新しいことをやろうとするまでに時間がかかります。新しいことを取り入れようとすること自体にも大きな抵抗があります。失敗したときに工期に余裕がないことや金銭的な問題が足かせとなっています。

工事現場へスマートグラス導入の壁

 認知度の低さ

スマートグラスと工事現場を結び付けられる人は少ないです。一般的な認知度ではスマートグラスは「スマホがメガネになったもの」としか思っていない人がまだまだ多いです。工事現場でどういった活用方法があるのか理解している人となるとさらに限られた数になります。工事現場でスマートグラスを使用している姿を見たことがないので理解できないのは当然です。逆に、スマートグラスと工事現場での使用イメージを確立できれば一気に理解が深まるでしょう。

 コストパフォーマンスの不明確さ

スマートグラスを導入する費用と効果の一般的な理解が低いです。定常的に効果がでるものではなくて、トラブルなどの非定常時に効果を実感する面があるからです。そこが会社の上司にスマートグラスの導入の提案をする際のボトルネックとなります。しかし長期的な視点では働き手不足の解消、経験の継承に役立つものと言えます。

 現場使用への耐久性

工事現場で使用時のスマートグラスの故障が気になる方も多いと思います。激しく動いてスマートグラスが落下したり、セメントなどの粉塵が付着したりして故障することが考えられます。耐久性が明確に分かれば使用する上での懸念事項が減ります。

工事現場がスマートグラスで変わる

 若手へのフォローアップが容易になる

現場で困ったことがあった若手へのフォローがしやすくなります。スマートグラスは同じ映像を一緒に見ながら話すことができるからです。電話だと言葉だけになるので、コミュニケーションエラーが生じやすいです。お互いに想像している箇所がズレていて、全く違う内容を話していたなんて経験がある人もいると思います。そこに共有された映像が加わることで格段とエラーが減らせます。小さなミスを大きくなる前になくすことができるのは大きな強みです。

 若手とベテランのシナジー効果がうまれる

スマートグラスを使うことで今までなかった交流が社員間で生まれます。年齢差があると積極的にコミュニケーションが取りづらいものです。特に若い子から話すのはなかなか難しいと思います。そのため仕事上で関係性がないと「あいさつ」しかしたことがない人がいてもおかしくありません。トラブルを介して若手とベテラン社員の交流が0から1へ増やすきっかけを作れます。その結果、社員間の信頼関係の構築と会社の組織力の向上につながります。

 生産性が向上する

スマートグラスを活用すると今までトラブル対応のために使っていた「移動時間」が無くなります。現地に行かずにトラブル状況を目視できるからです。そのため出張現場にいる若手社員に会社にいながら的確な指示を出せます。そして「移動時間」を他の業務に使うことができるのです。さらにスマートグラスの映像を残せば、会社の資産としてトラブル事例を残せます。

まとめ

当記事でスマートグラスには建設業界の問題を解決する可能性があるのを理解して頂けたと思います。特に働き手が不足に直面している「現場監督」を多く抱える会社にはぴったりなアイテムです。導入する壁を越えるには、まずは使用する会社のスマートグラスへの理解が重要です。どんなメリットが会社にあるかを確認しましょう。まだまだスマートグラスを導入している会社は少ないので、今始めればパイオニアとなれる可能性もあります。