【開成工業株式会社様】「シンクロアイズ」を通じた遠隔作業支援

 

開成工業株式会社の社員の方にスマートグラス(シンクロアイズ)を導入した理由や、使用した感想をお伺いしました。インタビュアーは弊社丸山です。開成工業様にご協力いただいたのは技術部の西口様です。 

シンクロアイズを導入した理由

丸山: 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まず、「シンクロアイズ」を導入した背景について教えてください。

西口様: ありがとうございます。当社は創業以来、水門、除塵機、水管橋等、鋼構造物の専門メーカーとして歩んでまいりました。専門性が高いので全国に弊社の製品が設置されています。

そのため、遠方の現場調査や設備メンテナンスが課題でした。広範囲にわたる現場をカバーする必要があるため、長距離の移動が頻繁に発生し、それに伴う人員の確保と時間が常に問題でした。また緊急時の迅速な対応が求められる場合、物理的な距離が大きな障壁となっていました。

丸山: 移動時間に関する具体的な課題はどのようなものがありましたか?

西口様: 時間と人員調整です。

本社は熊本にあるため、例えば滋賀県や兵庫県など移動だけで半日~1日を費やすことになります。また同じ九州エリア内であっても、鹿児島や熊本から離れた現場に行く場合、往復で6時間を要することがあります。

これに加えて、現場での作業時間が必要ですから近い場所でも1日がかりの作業となりがちでした。若手とベテラン技術者がそろって同行する必要があり、日程と人員の調整が大変でした。これが作業効率を大きく下げ、コスト増加を招いていました。

丸山: 移動時間の改善はどのように達成されましたか?

西口様: まずは出張する人数を減らすことができました。そして社内の連携が向上しました。

弊社は専門技術が多く、その中でも電気技術者と機械技術者といった具合に分かれています。「シンクロアイズ」を導入することで、遠隔でそれぞれの技術者の知識や技術を共有できるようになりました。今までは両方の技術者が現場に行く必要がありましたが、どちらか片方の技術者で対応ができるため、大幅な改善が見られました。

現場に行かずに、遠隔からリアルタイムで状況を確認し、指示を出すことができるようになったのです。

これにより、現場に行く人数を削減できました。具体的に言うと、鹿児島県屋久島 技術員12日分、滋賀県長浜市 技術員12日分、兵庫県西宮市鳴尾浜 技術員23日分が削減されました。

技術者は、行かなくても良くなっただけにとどまらず、その時間を他の重要な業務に割り当てることができ、大きな業務効率化が行えました。

シンクロアイズを導入した決め手

丸山: 「シンクロアイズ」を導入しようと思った具体的な決め手は何だったのでしょうか?

西口様: 安全面と視界共有です。

これまでのスマートフォンや電話を使った対応では、片手が塞がることで、安全面での配慮が必要でした。また技術者の視界と、スマホの撮影位置にズレが生じるため、状況を正確に把握しにくいという問題もありました。

「シンクロアイズ」はハンズフリーで使用できるため安全面が向上し、技術者の視界をリアルタイムで共有できるため、これらの課題を一挙に解決できる点が決め手となりました。

現場でシンクロアイズを使用し遠隔で作業をしている様子

シンクロアイズを導入したメリット

丸山: 導入後の使用感はいかがですか?

西口様: 現場側はケーブルをつなげるだけでやり取りが可能なため、すぐに使用できました。初めはスマートグラスの装着に少し違和感がありましたが、すぐに慣れました。

現場の状況をリアルタイムで捉えることができ、事務所からの指示もスムーズに出せるようになりました。特に現場と事務所間のコミュニケーションが格段に向上し、問題が発生した際の対応速度が大幅に改善されました。

導入後のサポート面でも、メーカーサポート窓口は丁寧な対応で満足しています。

現場でシンクロアイズを使用し遠隔で作業をしている様子

丸山: 若手の技術者教育における効果はありましたか?

西口様: 大きな効果があります。

以前は経験豊富なベテラン技術者が同行する必要がありましたが、今では「シンクロアイズ」を通じてリアルタイムで指示を出すことができるため、若手技術者も単独で対応できるようになりました。

これにより、若手技術者の責任感が増し、スキルアップにつながりました。また、若手技術者にとっても、現場での実践経験を積む機会が増え、成長のスピードが加速しています。

今後の展望

丸山: 今後の展望と、さらに「シンクロアイズ」を使いたい業務は何でしょうか?

西口様: 今後は「シンクロアイズ」の活用範囲をさらに広げていきたいと考えています。具体的には、ソフトを利用した故障診断、現地での試運転調整、検査立ち合い、遠隔での安全パトロールなどです。

特に安全パトロールにおいては、現場を歩き回る必要があるため、「バランスアイズ(ぶれないカメラ)」の追加導入を検討しています。現場が気を利かせて様々な箇所を撮影してくれますが、こちらから見ると映像がブレることがあり、画面酔いの問題がありました。これを解消するために「バランスアイズ」が非常に有効だと思います。

丸山: 最後に、まとめとして「シンクロアイズ」の導入による総合的な効果について教えてください。

西口様: 「シンクロアイズ」の導入により、移動時間とコストの削減が大幅に実現しました。遠方現場でも、リアルタイムでの状況把握と指示が可能になり、緊急時の対応も迅速になりました。また、若手技術者の教育にも非常に役立ち、責任感とスキルの向上が見られました。今後も「シンクロアイズ」を活用して、さらに効率的な作業環境を構築していきたいと考えています。

丸山: 本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に何かPRやお知らせがありましたらお願いします。

西口様: 「シンクロアイズ」は、当社の業務効率化だけでなく、技術者の育成にも大いに役立っています。

働き方改革が叫ばれている昨今、このようなITツールを積極的に導入し、社員が安心して働けるような環境を整えるとともに、弊社のお客様により良い製品を提供していきたいと思います。ありがとうございました。

丸山: 貴重なお話、ありがとうございました。開成工業株式会社様の今後のさらなるご活躍を期待しております。

インタビュアー丸山